「海猿」part2
以下、ネタバレになるかも知れませんのでご注意下さい。
昨日は、「考える人は潜水士に向かない」と書きましたが、気が利か
ないのが一番困ります。つまり、考えないでも、不測の事態発生時にも
臨機応変に対処出来る本能的な能力が必要です。
「海猿」の主人公にはそれが欠如しています。別に映画だからどうでも
良いんですけどネ。(^^;
クライマックスの遭難シーンに、その無能ぶりが現れています。
バディが、ロープに絡まれて岩にも挟まれて身動き取れなくて、一人で
救助出来ない。見殺しにもしたくない…。
一旦海面へ戻ろうにも、使えるタンクは1本だけ……。
確か水深は25mと言っていましたね。
もし私ならこうします。
①切断したロープをなるべく長く繋いで、片方を岩に固定する。
②バディのBCD(浮力調整用のジャケット)を外して、ロープの
もう片方に繋ぎ、緊急用CO2でふくらます。水中捜索は困難なの
で、これを目印にする。
③浮力材でもあるウエット・スーツの上着と帽子を脱ぎ捨てる。
海面まで浮き上がるので、目印にもなる。
④バディのウエイトを外して自分の腰に巻く。手頃な石があれば、
それも持つ。とにかく重しが必要だ!。
⑤BCDをタンク代わりにするために、急浮上しない程度のエアーを
入れる。
⑥タンク&レギュレーターをバディに渡す。
時々ナイフで空タンクを叩くよう指示する。SOS信号でもいいだろう。
⑦BCDのエアーを排出すると同時に吸いながら、重しを捨てつつ、
なるべく通常の速度で浮上する。25mなら可能なはず。
浮力調整が難しいが、何とかなるだろう。
⑧他の救助要員がいないのであれば、すぐにタンクを交換して、てこ棒
を持って救助に向かう。減圧用にフーカー(コンプレッサーによる
送気装置)を用意しておかせる。減圧室の準備も。
⑨てこ棒で岩をどかして、バディを救出する。減圧しながら友情を
深める。めでたしめでたし。(^^
でも、これじゃあ、ドラマチックじゃありませんね。(^^;
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