鳥海山上ノ台コース偵察山行
1月29日
朝、子供を高校に送りに行ったら、鳥海山が丸見えでした。
「あー、山が呼んでいるっ!!」
誰も呼んじゃいませんが、仕事が一段落したこともあって、急遽
行くことにしました。天気は良くもなく悪くもないのは天気図で確認
していたので話は早いです。
「そうだ!、上ノ台コースの偵察に行こう!」
鳥海山の南東側にある、ほとんど誰も行かない超マイナールート
で、仙台のsakanoさんから紹介されるまで全く知りませんでした。
好適期は雪が多い年の3月下旬から4月と思われますが、2月下旬
からは仕事オンリーになるので、その時期に行くのは絶対無理。
特に今年は雪が少ないので、「偵察」と割り切っての山行です。
しか~し!、行くと決めたのは良いとして、問題は靴。
先日の試験山行で山スキー兼用靴のインナーが見事に破損
して、そのままになっていたのです。あ゛~。
以前もボンドで補修していましたが、ここまで酷くなると普通は
買い換えです。もう20年以上履いている靴なので、そう考える
のが普通ですが、そこはファーマー佐藤。大急ぎで修理です。
長年愛用しているステッチャーでの縫合ですが、こりゃ完全に
ドロナワだ…。(^^;
もう片方も切れかかっていたのでついでに縫いました。
よっしゃー!。これでバッチリ!!。もう10年は大丈夫だ!。(?)
時間も遅いので、山中一泊の装備に切り替えての出発です。
勿論さくらも一緒です。
旧八幡町の升田スキー場に車を置いて出発です。
途中で買い出しもしてきたので、もう11時半。
ホント遅いなー。(^^;
鳥海山を冬の奥山林道から眺めるのは初めてなので、車道
歩きもそれほど苦にはなりません。景色がとても新鮮です。
しばらくは鬱蒼とした杉林が続きます。
日光川の清々しい水音を聞きながらどんどん進みます。
毎日のように雪が雪崩れている所を通ります。
橋を渡れば、もうすぐ上ノ台コースの取り付き地点です。
2時間近くかけて林道を6Km歩いて、ようやく取り付き地点に
着きました。
GPSを見るまでもなく取り付き地点が分かりましたが、登って
みると予想外に地形が複雑で難しい…。
地形図にも載っていないような小さな沢が多くて、それがまだ雪で
埋まっていない為に厳密なルート取りが必要でした。
こんな所ではGPSは役に立ちません。スキーで登るには大変な
急斜面もありましたが、細かい斜登高を繰り返して頑張って登り
ました。ツボ足で登るよりはマシなのですが、何だか昔熱中した
「山形県境縦走」みたいで嬉しくもありました。
これだけグチャグチャだと登った所を降りるしかないので、トレース
が新雪で埋まることを想定して赤布を枝に付けながら登りました。
しかし、700m付近の急斜面に立ちはだかるのはブッシュで武装
した杉林…。そりゃねえべえ……。
たちまち戦意喪失で、ここを幕営地に決定しました。
しっかりと整地してからアライテントのエアライズ2を張りました。
一人で使うには充分な大きさです。
「プシュッ!、ゴクゴク……、プハーッ!」
たまんないねー。\(^〇^)/
午後3時とはナイスな時間です。(^^v
本日のメインディッシュはチンジャオロウスウですが、なんという
事でしょう。ピーマンを刻むためのナイフを忘れました。(^^;
山では、ある物で間に合わせるのが鉄則です。
今回はナイフ代わりに方位磁石を用いました。
シルヴァ社も想定外の使用法でしょう。(笑)
私の部屋で活躍しているテントシューズは本来の使われ方をして
います。
料理が出来て、ご飯も炊きあがりました。
それにしても、全く誰もいない山中の暖かいテントの中でノンビリ
するのって、凄~く贅沢に感じます。ビールの後はウイスキーを
チビリチビリ……。幸せ幸せ……。(^~^
1月30日
夜中からサラサラと雪が降ってきました。予想通りなので、早起き
することもなく明るくなるまで寝ていました。外を覗くと、15cm程の
新雪が積もっています。風が無いので気持ちの良い朝です。
朝食は、夜の残りのご飯でカレー雑炊です。冷え切っているガスの
缶は寒冷地用ではありませんが、ローソクの炎で加熱しているので
火力充分です。
撤収してからは取りあえず上を目指しましたが昨日よりもハード
です。これ以上無理すると下りが悲惨なことになりそうなので、
30分ほど登った所で撤退することにしました。なんせ、スキー技術
検定一級を持っていても滑降不能に違いない難所です。
そこを重装備で滑り降りるためには、気力体力とも充分でなければ
いけません。生粋の藪山スキーヤーの領域です。
実際に滑ってみて、全くその通りでした。
フー、ヤレヤレ。ここは今の時期に来る所じゃないな。ヤッパシ。
途中、さくらが急な沢に落ちてしまって、救出するのがまた
一苦労。スキーを脱いで降りたら登るのがチョー大変で、大汗
かきました。ピッケルを持参したのもその為です。犬を連れて行く
と装備が増えます。(^^;
でも、来て良かった。ウン。
なんとか車道まで降りてしまえば、あとは単調な歩きだけです。
新雪が積もったので、スキーはほとんど滑りません。雪は更に
激しく降ってきます。早く降りて正解です。
10時半には升田スキー場に着きました。
と、ここで事件発生!。
私よりも少し前を歩いていたさくらが、たまたまやって来たスノー
モービルの音に驚いたからか、私に追い越されたのに気付かな
かったようで、今来た道を戻っていったのです。
私は、どうせその辺で遊んでいるんだろうと思って帰り支度をして
いたので、そのことに気付くのが遅れてしまいました。
私が来ないと思って迎えに戻ったに違いありません。
ありゃまあです。健気にもご主人様を迎えに行ったのに、
「あのバカ犬!」
と捨てて帰るワケにもいかなくて長靴で見に行きましたが、全く
姿が見えません。犬の足は速いですからね。一旦駐車場に戻って
暫く待っていましたが、さっぱり帰ってきません。
仕方ないので、諦めてスキーを履いて迎えに行きました。
いったい何処まで行ったやら……。(ーー
さすがのさくらも変だと思ったのか、300mほど歩いた所で戻って
来るのに遭いました。私を見つけると大喜びで駆け寄ってきました。
感動の再会です。(笑)
全くヤレヤレですが、連れて帰れて良かった良かった…。
スノーモービルには要注意です。
というワケで、上ノ台コースは、やはり4月が良いでしょう。
とういうことは、私しゃ永遠に行けないかもね。(~~
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コメント
今の時期に好天を狙える地元山スキーヤーは羨ましい。最近中々姿を見せない鳥海山ですが、2月頃にはご機嫌な日も有るだろうと期待しています。
スノーモビラーに自粛勧告が出ている上ノ台では、昔と変わらぬ日々が続いて欲しいものです。
自分でもかつて兼用靴をさんざんいじくりましたが、ここまで酷使された靴も本望でしょう。
投稿: sakano | 2008年1月30日 (水) 21時07分
この際天気は、冬型と低気圧通過時以外は良いことに
しました。そうじゃないとなかなか行けません。(笑)
奥山林道の入り口を圧雪車が塞いでいたので、結構強力な
スノーモビラー対策と言っても良さそうです。
兼用靴は、誰もがここまで使ったらメーカーは倒産する
かもですね。(笑)
投稿: ファーマー佐藤 | 2008年1月30日 (水) 23時53分
お疲れさま、
私のような軟弱な者は・・・
でも、羨ましげな山泊の雰囲気は十分
伝わりました。
さくらが親方の桜肉にならなくてホットしました。
でも・・・
互い4月の山行出来ないこと、辛いですねf(^^;)
ホント、sakanoさんのレポ、よだれタラタラで拝見した記憶がよみがえります。
投稿: lison | 2008年1月31日 (木) 21時09分
>lisonさん
あそこは3月下旬でも大丈夫なので、何とかなるかも知れませんよ。
私も10年前までは何とかなりましたが、今は不可能です。(~~
ま、近いところで三の俣コースにでも行こうかと思っています。
安近短ですね。(^^
投稿: ファーマー佐藤 | 2008年1月31日 (木) 22時28分
こんばんは。。
靴が・・と書込み頂いてたので、気になってオジャマにまいりました。
何でも製作・修理されてしまう技に、改めて感心致しました。
それにしても、BEERの数といい、チンジャオロースとご飯の量といい、ホントにソロテン泊?と、こちらの方も関心?してしまいました。
上ノ台ルートは、春にトライしてみたい処の一つです。
投稿: HAMA | 2008年1月31日 (木) 23時24分
>HAMAさん
やっぱり重い物は美味しいです。(笑)
春の上ノ台コースは静かに楽しめると思いますよ。
私の分まで満喫して欲しいと思います。(^^
投稿: ファーマー佐藤 | 2008年2月 1日 (金) 00時25分