稲刈りが遅れた上にスイカの収穫中ということで、
かなり厳しい状況でしたが、唯一のチャンス!と、
無理して北アルプスに行ってきました。
10月16日
紅葉もそろそろ終わりの平日です。黒部ダムの
玄関口でもある扇沢に余裕で駐車すると、種池
山荘へ通じる柏原新道を登りました。昼下がりの
遅い出発です。
いや~、良い天気ですね~。
登山シーズンも終わりなので、出会う人は少ないです。
日頃から自転車に乗っているし、長距離走もこなして
いるので絶好調!。道路を普通に歩く程度の速さで、
しかも楽に登れました。心拍数160でも全然苦しく
ありません。若い頃でも、標準コースタイムの半分
で登っていましたが、それ以下です。特に頑張っては
いないのですから、自転車様様です。
柏原新道は、12年前に下ったことがありますが、
バス時間が迫っていてガンガン走ったせいか、どんな
登山道だったか全く覚えていませんでした。
だから新鮮!。気持ちよく歩いていたら、1時間50分
で種池山荘に着いてしまいました。少し遅れて到着
した熟年夫婦は5時間もかかったそうですが、そりゃ
いくら何でもチョットかかり過ぎでしょ?。
遠くからでも良く目立つ山小屋です。
さて、今回の登山計画は、扇沢~種池山荘~
岩小屋沢岳~鳴沢岳~赤沢岳~スバリ岳~針ノ木
岳~蓮華岳~北葛岳~七倉岳~船窪岳~不動岳
~南沢岳~烏帽子岳~南烏帽子岳~三ツ岳~
野口五郎岳~真砂岳~水晶岳~赤牛岳という
18座もの山々を縦走して針ノ木谷に下り、針ノ木峠
まで沢を上り詰めてから針ノ木大雪渓を下り、出発
地点の扇沢へ戻るという遠大な周回コースでした。
しかも、種池山荘以外の山小屋は全て今年の営業
を終えて閉鎖されているという悪条件です。
ということは……、ビールが無いし、水すら無いと
いう心配がありました。全てテント泊で、山中3泊
という強行軍ですし…。
とはいえ、
「今日の調子なら行けるかもなー。」
と種池山荘のテン場に張ったテントの中で、売店で
買ったビールをガブ飲みしながら思っていました。
アライのエアライズ2に一人だから快適です。
フルフライ式のテントは、外に靴が置けるので
便利です。
もちろん、軽量化には拘りました。最も有効なのは
食料減らしです。厳しい山行の場合はこれと決めて
います。
「米とフリカケ」
これ、私の定番。
所詮はフリカケですが、よりどりみどりです。
ご飯をたっぷり食べれば、後は寝るだけ~。
10月17日
テントが霜で真っ白になっていました。
気温は-7℃。霜柱がサクサクいって気持ち良い
朝です。素早く撤収すると、日の出前の5:40には
出発しました。計画では烏帽子までですから。
ウン、今日も絶好調!!
と、ホイホイ歩きました。剱岳や立山が見事です。
少し霞んでいましたが、絶景が続きます。
黒部湖も見えます。先週の写真では薬師岳が
雪で真っ白になっていましたが、すっかり融けて
いました。
針ノ木岳には10時に着きましたが、ちょっと遅れ
気味です。あれっ?、そんなハズは……。
間もなく針ノ木峠に着きましたが、当然のごとく小屋
は締まっています。ウーム…、ビール飲みたい……。
それでも気を取り直して蓮華岳に登りました。
振り返れば針ノ木岳が見事です。
さて、蓮華岳に着きました。
「蓮華の大下り」ということで、長くて急な下りが
続いていました。何だかペースが上がりません。
初めはザレ場、後半は岩場が続いて、足が悲鳴を
上げ出しました。
「こりゃ、烏帽子どころか船窪も怪しいゾ!?」
北葛乗越では、マジでそう思いました。
「何でこうなるの??」
そうだ!、ビールを飲んでないからだ!
と思いついて、せめてもとアルコール度数50°の
ウイスキー、キリンの富士山麓 樽熟50°をラッパ
飲み!。たちまち元気回復です。
しかし、これで三晩目の酒が不足するのが決定的
となりました。酒の無い夜は絶えられません。
更に、遅れを取り戻すのも無理なので、北葛岳の
頂上で決断しました。計画を中断して、船窪から
針ノ木谷~針ノ木峠経由で扇沢へ下山することに
したのです。幸いなことに、借り物の携帯電話が
通じたので、変更内容をメール出来ました。
ソフトバンクは山では通じないというのが定説だった
ので、ラッキーです。というか、奇跡的かも。
時折見る雷鳥が旨そうでなりませんが、我慢して
先を急ぎます。
船窪の小屋には15:30に着きました。
3時間の遅れは決定的です。このコースは意外に
ハードだし、小屋が閉まっているのがツライです。
そこには四畳半ほどの冬季小屋がありましたが、
水場がないのでテン場に向かいました。
北アでは珍しく、小屋から結構離れています。
まずは水の確保ですが、ン??、何か変……。
水の臭いがしません。ホントに出てるのか??。
警告を見ながら下りていくと、
なるほど、こんな風です。なのに……、水は
無い。涸れていました……。恐れていた事態です。
ま、それも考えて種池山荘から5リットルの水を
背負ってきたので朝までは保ちます。針ノ木谷に
下りれば水はいくらでもありますからね。
そうと決まれば、あとはウイスキーを飲むだけです。
素早くテントを張りました。
トイレがあるのは○です。
非常酒にまで手を付けて反省します。
「やっぱり、北アルプスには小屋が開いている時に
金をたんまり持って来るに限る!。」
この日は全く誰とも出会わなかったし、テン場の
受付も出来ないので、万一遭難した場合には、
あまりにも範囲が広すぎて探しようがありません。
不動沢になんか落ちたら絶対助かりそうにないしね。
10月18日
「あーー、早くビール飲みてえ~~」
というワケで、夜明けと共に下山開始です。
今回は自転車効果を過信して、山用のトレーニングを
全くしなかった為に筋肉痛が酷いです。ミスったな…。
濡れ落ち葉が積もっていて滑りやすいので、更に緊張
を強いられます。あー、しんど……。
そもそも、6ヶ月振りの山登りだしねえ……。
それでも、一時間で針ノ木谷に着きました。
300cc程しか残っていなかった水筒を満たしました。
日程がたっぷりあるんだったら、また登り直すところ
ですが、それは無理。去年だったか整備したという
黒部湖方面の古道を下見してから、針ノ木峠方面に
進みました。
「登山靴で沢歩きはしたくないなー」
と思いながら歩いていると、なんと渡渉に失敗して
しまいました。ツルンと滑って尻餅をつく形で水に
落ちてしまったのです。やっちまったー。
すぐに水から上がって靴下を絞ったし、濡れても
乾きやすい服を着ていたので平気でしたが、お尻に
痛みが……。軽い打撲のようです。沢で転んだなんて
初めての経験です。参ったなー。
しばらく歩くと、針ノ木峠に通じる沢に着きました。
ここからも沢歩きが続きます。
大昔の人達もここを通ったんですよね。凄いなー。
ペースが上がらないので、諦めモードでゆっくりと
登りました。
針ノ木峠に着いても感慨はありません。
もちろん、誰もいません。せめてもと、非常酒で水割り
を作って、槍ヶ岳を遠望しながら、
「カンパ~イ!!」
三杯も飲んでしまいました。どうせ、後は下るだけ
だし~。
大雪渓を避けるように作った登山道を慎重に下り
ます。酷い筋肉痛の足には結構な距離です。
大沢小屋近くでは、やっと人に会いました。
登山歴数年の熟年夫婦でしたが、登ろうか、諦めて
下ろうか迷っているところでした。装備は万全でした
が、そこで判断を迷うようなら中止した方が良い。
もっと気軽に楽しめる山を紹介しておいたので、多分
下山したでしょう。
というワケで、計画よりも一日早く扇沢到着しましたが、
猛烈な筋肉痛です。これまでの経験では2番目の酷さ
かも。やっぱり、ハードな山行には、それなりの準備を
しないとダメですね。大いに反省しましたが、次回への
心づもりが出来たので、良しとしましょう。
ちなみに、北アルプス山行は何度も経験しましたが、
初めてキツイと思いました。
宿泊所に移動してからは、馬刺しにレバニラ、モツ煮、
ピータン、野菜炒めで生ビールを大ジョッキで3杯流し
込んで栄養補給しました。プハーッ!!。
これだから山はやめられない。\(^〇^)/
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