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2009年7月18日 (土)

大雪山系大量遭難

 起きるべくして起きた遭難ですね。
あの天気で登るなんて私なら考えられません。

 あのコースは、標高は高くないし急峻な所もありま
せんが、悪天候下では非常に厳しくなります。
森林限界の上なので、風当たりが凄いのです。緯度が
高く気温が低いために、体感気温はかなり下がります。
小屋は僅かしかないし、エスケープルートも少ないから
予備日が絶対に必要なコースなのです。
そんな事は、登山経験が豊富で地形図をちゃんと
読める人なら行く前から分かることです。

 私が十勝岳から大雪山まで縦走したのは8月末
から9月頭にかけてでしたが、強風にも耐えられる
ドームテント持参でした。それでも、悪天候の二日目
には美瑛岳の避難小屋で丸一日停滞しました。
超ボロ小屋で強風で潰されるかと思いましたが、
中に張ったテントでひたすら眠っていました。酒と食料
を節約するためです。

 大雪山に向かった日には物凄い風で、体を斜め30°
程傾けた状態で歩いたほどでした。
ガスが掛かるとルートも分かりにくく、迷ったと見られる
登山者の足跡がかなり多く見られました。
私は1/25,000地形図とコンパスを持って行ったので
ルートを外れることはありませんでしたが、ガイドマップ
だけだったら難しかったと思います。

 一方、今回のツアーは問題ですね。
ギシギシのスケジュールだったようで、あれでは少数
精鋭のパーティーでも厳しいです。まして、寄せ集めの
中高年パーティーに経験値が低いガイドじゃ無理。

 そもそも、登る前に天気図を見れば、中止するしか
無い山行だったと言えます。そうでなければ、麓から
ピストンで登れる山に変更するなりするべきでした。

 私は、利尻岳へ登るために遠路、列車で稚内まで行った
ものの、悪天候のために、乗っていった列車でそのまま
引き返したこともあります。撤退する判断は最も大切です。

 計画最優先の山行だけは絶対にダメです。
自然に対しては常に謙虚でなくてはならないのです

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コメント

私もこの事件を聞いて予備日がないのには驚きました。
大昔トウラウシ山に登った時、下は晴れてるのに岩場から上が一気にガスって風の強さに驚きつつ撮影をしたのを記憶してます。
二泊三日できつきつの日程、それも中高年。
マスコミ取材で社長がツアーに無理があったんじゃないかと聞かれそう思いますといったのを慌てて思いませんと言ってたのには…。

無理があったら登らない、最悪でも引き返すが鉄則。

投稿: こうさく | 2009年7月18日 (土) 12時45分

 穏やかな天気だったら、トムラウシは楽園のような
所なんですけどねー。無理をしちゃいかんですよ。

 今回の遭難パーティはちりぢりになったようですが、
各々が適切に判断出来るんだったらツアーを利用する
必要は無かったワケだしねえ…。

 ラジオパーソナリティがこの遭難を取り上げた際に、

「登山は死と隣り合わせだということを自覚するべきだ」

と発言していたのには失笑しましたが。

投稿: ファーマー佐藤 | 2009年7月18日 (土) 21時30分

   どうもこのツアーを企画した代理店には自然=地球環境に慢心があったようですね。

  空調の行きとどいたオフィスで利潤追求に没頭しすぎた証でもあると思います。

  我々のように日々自然環境に左右される業種に就いていると、正しく「謙虚」という姿勢は崩せませんね。

  何はともあれ、亡くなられた賢者の御冥福を祈ります。

投稿: 面白ダディ | 2009年7月20日 (月) 21時23分

>面白ダディさん

 一般的な見方はそうだろうと思いますが、私の見解は違います。
ツアーといえども、あの山域は登山初心者が行くところでは
ありません。今回の参加者もそれなりの経験があったものと
推測されます。参加者自身が「自分の身は自分で守る」という
意識を持って準備しなければいけなかった事例だと思います。 

 ということで、遭難の原因は、ツアーリーダーの判断ミスと、
北海道の山に対する参加者の認識が甘さだと思います。
参加者らは本州の北アルプスとかで3,000m級の山々も
経験していただろうと思いますが、気象的には大雪山系の方が
厳しい面があります。きっと、季節が夏ということで油断した
のだと思います。

投稿: ファーマー佐藤 | 2009年7月20日 (月) 22時28分

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