チャイコのピアノ協奏曲
ラジオを聞きながらスイカの接ぎ木作業をしていて、ふと
NHK-FM放送に切り替えたら、丁度チャイコフスキーの
ピアノ協奏曲第一番が始まったところでした。
ナイスなタイミングです。
冒頭のピアノを聞いてすぐに、
「あれっ」
と思いました。聞き覚えのあるピアノ演奏だったからです。
「これって、辻井伸行君じゃね?」
ラフマニノフの第二番で聴いたタッチに似ていたからです。
重くならずテクニックにも走らない、優しい演奏でした。
一言で言って、慈愛に満ちた演奏という感じ。
聞けば聞くほど、
「これはやっぱり辻井君だろっ」
と思いましたが、第三楽章のエンディングで、大きくリタルダント
してからオケと合わせた瞬間に、
「絶対間違いないっ」
と確信しました。この曲は、とかく重々しくなって息苦しさをも感じ
させる演奏が多い傾向にありますが、彼の演奏にはそれが無い。
独特の揺らぎ感は、何やら子守歌でも聴いているかのような気さえ
しました。
アナウンスで、やはりピアノは辻井君で、佐渡裕氏の指揮による
演奏だったことを知りました。音色や演奏に個性があって、それが
聴く人の心に響くというのは、優れた演奏家の条件だと思います。
テクニックに走る演奏家にはウンザリしますが、彼のように「心」で
奏でる演奏家は大歓迎です。生まれつきの才能を感じさせますが、
全盲という大きなハンディが非常に良い方向に作用したんでしょう。
調べたら、チャイコの一番はCDが発売されたばかりなんですね。
ちゃんと聴いてみたいものですが、チョット高い…。
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