哀愁のヨーロッパ/アーロン・ヘイク
心に秋風が吹く夜にピッタリのアルバムです。
大好きなジョン・ディ・マルティーノ率いるロマンティック・ジャズ・
トリオのワンホーン・アルバムなのでいかにも良さそう。
アーロン・ヘイクという名前にはピンときませんでしたが、試聴
して直ぐに、
「あ、このサックス、聴いたことある。」
と気付きました。ライナーノーツで知りましたが、シモーネの
アルバムに参加していたプレーヤーなんですね。
実に艶っぽいアルトを聴かせてくれます。
さて、「哀愁のヨーロッパ」といえばギターの名手カルロス・
サンタナの大ヒット曲です。原題は”Europe”ですが、コンプ
レッサーを最大限に効かせた泣きのギター・サウンドは、正に
哀愁を感じさせるものでした。素晴らしい邦題だった、と今でも
思います。
その名曲をアーロンがアルトサックスで奏でる……。
サンタナの印象が強烈だっただけに、比べるべきではないと
思います。熱烈なサンタナのファンが聴いたら、
「甘ったるくて聴いてらんねーぞっ」
ということになりそうです。
なので、一度リセットしてから聴くべきでしょう。
そうすれば良い演奏です。原社長は本当に企画上手だと思い
ますが、タイトル曲にした辺りはある種の賭けだったのかも
知れませんね。
個人的に、サックスはテナーの方が好きなんですが、アーロン
のアルトは心に染みます。凄く良いです。
しかし、意外なことにこれがアーロン初のリーダー・アルバム
なんですね。いわゆるスタジオ・ミュージシャンとして活動してきて、
一流どころからの信頼は絶大だったようです。そりゃそうでしょう。
本作の発売は2009年12月。もうそろそろ二作目が出るかも
知れませんね。今度は違う切り口を期待したいところです。
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