鳥海山・厳冬期単独日帰り登頂!
ここ数年間狙っていた山行が実現しました。
厳冬期の1月に鳥海山へ単独日帰りで登頂する計画です。
去年は2月22日に登頂しましたが、2月でも下旬ともなると
春めいてきて、どうも厳冬期というには抵抗感がありました。
山も温暖化しているので、もはや1月しかないと思って狙って
いたワケです。
ところが、鳥海山が1月に姿を見せることは殆ど無いので、
天気図と睨めっこしてアタックするしかありません。とにかく、
猛烈な風雪に曝される山なので、天候判断が全てです。
そして、図らずも今日、今年初めてのチャンスが訪れました。
冬期に鳥海山が晴れるのは、移動性高気圧の中心が三陸沖
に抜けた時ですが、今日のように北高型の気圧配置で寒気が
完全に抜けている場合もあります。天気図を見ただけでは晴れる
気がしないので、ホゾを噛むことが多いパターンです。
しかし、今回は見逃しませんでした。千載一遇のチャンスです。
天気予報では明日の方が良さそうでしたが、
「絶対今日だ」
と確信して出かけた次第です。その割に、ビニールハウスの管理
作業に手間取って、鳥海牧場を出発したのは予定より1時間遅れ
の7:15でしたがぁ。
いきなりこの天気ですよ。予想以上でした。\(^〇^)/
雪もよく締まっていて、樹林帯以外ではほとんど沈みません
でした。
朝日を浴びた新雪がキラキラ光って、とても綺麗でした。
久しぶりの滝の小屋ですが素通りして、ボサ森へ向かいました。
少し遠回りになりますが、七五三掛方面を偵察したかったからです。
トラバースしながら登りましたが、無風快晴なので暑い。
山側のストックを素手で短く持ちましたが、カーボン製は冷たくない
ので良いですね。
雪が良く締まっていたので登りは普通の軽量カービングの方が
ずっと楽ですが、下りを考えてヘルベントです。シールが広いので、
スリップしにくい効果もあります。
ボサ森の上、1,800m地点でアイゼン歩行に切り替えました。
スキーアイゼンがあればもう少し登れましたが、ヘルベント用の
特大アイゼンを買うつもりは無いんですよね。高いし嵩張るから。
スキーとストックを背負って外輪を目指しました。青氷でもアイゼン
の爪はしっかりと食い込むので気持ちよく登れます。
ピッケルは樹林帯で邪魔にならないように、シモンの改造50cm
を使いました。急斜面での使い勝手は良いです。
新山を見ると嬉しくなります。
なので、記念写真を撮りました。
ピッケル用のカメラホルダーを忘れたので、かなり変な構図…。
文殊岳と伏拝岳の中間地点にスキーをデポして新山へ向かい
ました。
私には見慣れた風景ですが、一般的ではないでしょう。
伏拝岳から見た新山です。
行者岳の先で落とし穴に填ってしまいました。
その後は順調に外輪を歩いて、七高山手前の夏道を下りました。
スノーブリッジへ続く冬道(?)への雪の付着が足りなかったから
ですが、冬山のルートは状況次第で変わるのが常です。
やがて、新山に到着しました。遠回りしたために一時間遅れま
した。14:10着。ビールが最高に旨いっ(第三だけど…)
無風で気温は-7℃とこの時期としては温かかったですが、
時間が押しているので、10分後には山頂を後にしました。
下りは速い速い。30分でデポ地点に戻りました。
いや~、天気が良いってのは最高ですね。山は本当に天気
次第です。午前中から中腹には雲が出ていましたが、それ以上
発達せずに夕方にはすっかり晴れるのは経験上分かっていた
ので気楽でした。
しかし、滑り出して間もなく、かなり急な岩稜帯に入ってしまった
のでした。下から見上げればすぐに分かる仙ヶ洞ですが、上から
は見えなかったので、ウッカリしていました。
しかも、氷化していて、かなりヤバイです。気合いを入れて脱出
しました。1,950地点でトラバースしている箇所です。拡大すると
良く分かります。
雪の状態は正に七変化でしたが、ヘルベントは全てに対応して
くれました。凄い板です。(@@
登りは遠回りしたので7時間かかりましたが、外輪からの下りは
牧場までたったの45分。16:00着でした。今日登った人は他に
いなかったので、まぁ貸し切りでしたね。恐らく今年の初登頂で
しょう。
鳥海山は本当に良い山です。\(^〇^)/
※本日の行動記録
積算距離 23.5Km
最高速度 39.3Km
移動平均速度 3.7Km/h
最高高度 2,237m
総上昇量 2,009m
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コメント
厳冬期の新山登頂おめでとうございます。
しかも単独となればなおさらですね。
酒を担いで連れと小屋に入ったら翌日の登頂は絶対無理でしょう。
投稿: sakano | 2012年1月20日 (金) 21時08分
sakanoさん、ありがとうございます。ようやく登ることが出来ました。
でも、楽しさでいえば、気のあった仲間と山中一泊の方が
上ですよね。登ることは二の次になってしまいますが。(笑)
投稿: ファーマー佐藤 | 2012年1月21日 (土) 08時41分
今期の厳冬期では唯一の登頂記録かもしれませんね。
地元にいなければ絶対に出来ない記録だと思います。
ところでスーパーファットスキーの威力は凄まじいですね。
全ての雪質に対応するとは夢の板だと思いました。
投稿: SONE | 2012年2月25日 (土) 10時58分
>SONEさん
確かに地元ならではだと思います。
厳冬期ならスーパーファットが最高ですよ。
スキーの概念が全く変わるほど面白いです。
「あんな物はスキーではない!」
と断言する人もいますが、深雪での非常に高い
登行性と浮遊感を経験したら手放せなります。
投稿: ファーマー佐藤 | 2012年2月26日 (日) 07時39分