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2013年3月12日 (火)

鳥海山・新山からの大滑降!

 待望の山行が実現しました。新山頂上からのスキー大滑降
です。

 冬季の鳥海山は猛烈な季節風に見舞われて氷化する斜面が
上部では多いんですが、新山の東側はパウダーで覆われます。
是非とも山頂から滑りたいとずっと思っていましたが、山形県側
からだと必ず登り返しがあるので、秋田県側の中島台周辺から
アタックするしかありません。一般的には鳥越川からでしょう。

 しかし、冬季は車が入れないのでアプローチが長いし、春は
仕事が忙しくて山には行けない現実があって、ずっと断念して
きました。

 なのに、今年は行けたんですね~。

 天気予報では完璧な快晴でしたが、天気図を見ると山は風が
吹くのが分かりました。冬だったら猛烈な地吹雪になるので絶対
に入山しないパターンです。

 でも、今は3月中旬。

「何とかなんべー。」

と行ってきました。中島台方面の結構奥まで除雪されていたのは
ラッキーでした。5:30出発です。

 このコースは全く初めてで、どこから入るのがベストなのか知り
ません。なので、適当に林道に入りました。杉林の中は見通し
が利かないので嫌いです。

 なんとなく鳥越川沿いを進んでいると、そのうちにブナ林に入り
ました。

Img_5176

 そのままどんどん進みます。

Img_5177

 おっ、なんか良い感じになってきましたよ。

Img_5180

 新山と七高山が見えてきました。

Img_5182

 この角度で見る景色は初めてなのでチョー感動です。

Img_5184

 順調に登っていきましたが、この辺りから風が強くなってきました。

Img_5185

 目指す新山も見えますが、真正面からの烈風でなかなか進み
ません。瞬間風速は30m以上で、耐風姿勢を取る事が多くなって
きました。雪煙と風の呼吸を感じながら、

「来るぞっ

と身構えるワケですが、それでも何度も飛ばされそうになりま
した。

 凍っていない斜面を探しながら登りましたが、1,704m地点で
もう無理。アイゼンに履き替えました。

「スキーアイゼンがあればなー。」

と最初は思いましたが、2、3日前のポカポカ陽気で溶けた雪が
ガッチガチに凍っていました。あれでは刃が立ちません。
厳冬期よりも厳しい状態でした。

 というか、最悪。。こんな酷い氷は見たことない。

Img_5212

Img_5195

 アイゼンに履き替えたので滑らなくなったのは良いのですが、
ヘルベントは担ぐと帆みたいな板なので、これがまた大変でした。
短く切り詰めたピッケルでは突風を受けた時にバランスが取れな
いのでダブルストックで登りました。全く刺さらないものの、荒れた
氷に引っかかるんです。姿勢を低くしての四点支持なので、かなり
有効です。

 いや~、スキーに履き替えられる新山直下まで長かったです。

Img_5208

 外輪山内壁を眺めながらの我慢大会でした。一人しかいない
けど。

 そうして、12:45。新山頂上に到達しました。 
7時間15分掛かったワケで、新山日帰りとしては自己最長記録
です。気温ー5℃でも、今日の鳥海山は完全に冬季でした。

Img_5217

 さて、新山頂上に着いたものの、猛烈な風で立っているのも
やっとでは祝杯どころではありません。板を外せる所まで戻って
からシールを剥ぎましたが、畳むのは不可能なのでグチャグチャ
に丸めてザックへ押し込みました。とにかく下山です。

 予定通りで新山の滑降は最高でした。

Img_5219

 が、その後は辛抱大会でした。とにかく最強最悪の氷の斜面
なので、絶対に転ばないことだけを心がけて下りました。
鍛えた脚もガクガクです。いやー、キツかったー。

 それでも、1,700m付近からはなかり楽しめました。

Img_5224

 ということで、時期を選べば良いコースだと思いました。
とにかく、景観が素晴らしいです。大満足

 ただ、樹林帯に入ってからの下りは、かなりかったるいです。
今日は天気が良くて低地の雪が腐ったせいもありますが、板が
全く走らないんです。傾斜が緩いんですね。


※本日の記録
 
移動距離     28Km
最高速度     50.6Km/h
山中行動時間  9時間50分     

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コメント

貴兄の行動力、畏怖極まれり、我喝采きわまれるのみ。

投稿: 面白ダデイ | 2013年3月12日 (火) 19時38分

>面白ダディさん

 今日は貸切でした。山冥利に尽きます。

投稿: ファーマー佐藤 | 2013年3月12日 (火) 20時35分

こんばんは。初めてカキコします。
昨日の快晴の日に鳥越川コースを滑ってこられたのですね。にかほ市からよだれを垂らして見上げていました。
去年3月の初めに雪洞泊した際は、山頂から905mまでパウダーを楽しむことが出来ました。
このコースは登りも滑りも楽しむことが出来、景観も良く鳥海山屈指のロングコースです。
これからザラメのシーズンです。まだまだスキーは楽しめます。

投稿: デンキ | 2013年3月13日 (水) 18時10分

 デンキさん、ようこそ!。

 にかほ市から見る鳥海山は男性的で、山形県側から
見る女性的な姿とは違った魅力がありますね。

 登ってみても、鳥越川から見る稲倉岳と外輪、新山から
延びる山稜は実に見応えがあって、大いに痺れました。

 4月からのザラメも良いですが、1月か2月に滑りたい
と強く思いました。登れる日はほとんど無いので、気長に
狙います。

投稿: ファーマー佐藤 | 2013年3月13日 (水) 19時19分

この時期の鳥越川から新山は中々手強そうですね。
知人が2月1日に同じコースを辿っていますが、あまりアイスバーンは出てこないようです。でも、好天のタイミングを掴むのは難しいでしょう。

http://sanpei.soragoto.net/kiroku_Page/tyoukai.html

http://photozou.jp/photo/list/1384239/7569276

最近はウォッチャー専門です。

投稿: sakano | 2013年3月14日 (木) 21時30分

>sakanoさん
 
 仰るとおりで、ドバーッと溶けた雪が凍った氷は
手強いですね。仕事柄、この時期の鳥海山は多分
初めてなので難儀しました。速攻でTLT用のワイド
クランポンを注文した程です。

 2月1日というのは最高のタイミングだったと
思いますね。10年に一度あるかというレベルです。
本当に素晴らしいです。

投稿: ファーマー佐藤 | 2013年3月14日 (木) 21時59分

ガチガチ斜面は写真で見ても凄まじいですね!!お疲れさまでした〜(´∀`)

投稿: まーはー | 2013年3月17日 (日) 10時02分

 まーはーさん、お久し振りです。

 確かに凄まじかったですが、そういう山行の方が
楽しかった思い出として記憶に残りますね。
まーはーさんなら分かると思いますが。

投稿: ファーマー佐藤 | 2013年3月17日 (日) 19時44分

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