冬の鳥海山は猛烈な風雪に曝されて殆ど晴れることがない
ので、登頂するには好天の日をピンポイントで狙わないと難しい
です。
しかし、今の私は日曜休みのサラリーマン。今年になってから
登れるような日は皆無でした。野暮用で潰れる日も多かったしね。
なので、
「今年は無理かもなー。」
と半ば諦めモードでした。
「山に行くので休ませて下さい。」
なんて、言いにくいですからね。
「ん?、待てよ。あの手があったか。」
それは、「確定申告」。
なんたって申告納税は国民に課せられた義務ですからねー。
税務署の他に給与支払い報告書の提出で市役所にも行かなきゃ
いけないし、銀行や農協等、平日限定の用事も溜まっていたので
今日は休みを貰いました。鳥海山が100%晴れる確信があった
のは言うまでもありませんが。
というワケで目出度く、税務署に行く前に早起きして山へ行く
ことが出来ました~。
冬季の鳥海山単独日帰り登頂&大滑降。これが一本決まれば
一年間ハッピーでいられるんですから、私には非常に意義がある
ことなんです。
などと、前置きが長くなりましたが、下界の小雪とは対照的に
積雪量は十分でした。
鳥海山は3ヶ月振りだし、元日の月山で撤退した時以来の山
なので2ヶ月振りです。日々の筋トレもさぼっていたので体は
かなり鈍っている感じ。。
実際、標高1,700m付近から股関節に違和感が出始めました。
それでも、「撤退」などという言葉は思いもつかない千載一遇の
チャンスなので、前進あるのみでした。
今日の鳥海山は雪と氷の状態がかなり良かったので、K2
ヘルベント+140mmシール+クランポンで外輪まで登り切り
ました。ストックを後ろ手に持って強力にプッシュしながらで、
かなりハードでしたが。
上と違って下の方は風がないので雲海が出来ていました。
最後のアザミ坂です。もう一頑張り。
着いた~。
伏拝岳にスキーをデポしてからアイゼン歩行に切り替えて
新山を目指します。
いや~、いつものように凄い風景ですね~。
七高山直下からスノーブリッジ側に下りた直後、見上げて一枚。
注意が必要な場所です。
ツボ足ではブーツが隠れるほど沈むので、ペースを上げると
心臓がバクバクです。
もうここまで来れば疲労感など構わずにガンガン行きます。
「着いだー」
鳥海牧場出発から6時間半で新山到着です。
冬季の単独日帰り登頂は4年連続となりましたが、いつも
新鮮で感動に満ちています。完全貸し切りは最高です。
なんたってタダですからぁ。
そこで、恒例の記念撮影です。
「プシュッ」
の旨いこと旨いこと。360°の大展望だしね~。
さて、今日の本題。税務署に行かなくてはかなくてはならない
のでノンビリはしていられません。20分後には下山開始です。
と、間もなくヒヤリとする場面が。。
スノーブリッジから外輪に上がる所では段差が大きくて、
左アイゼンの出っ歯が僅かに掛かった状態で体重を掛けたら
氷が欠けていきなり滑落しましたー。
ガリガリの急なアイスバーンだったので一瞬で10mほど落ち
ましたが、その下の軟雪で止まりました。ヤベ~。
ピッケルのピックをしっかり打ち込んでいれば滑落は防げた
ので、全くの不注意です。教訓にしなくては。。。
伏拝岳に戻ればいよいよお楽しみ大滑降です。
最初の超ガリガリ斜面さえ慎重に下れば後は楽しいばかりです。
「ギャッホー」
などと絶叫しながら滑りまくりました。
こ~んな広大な斜面に刻まれるシュプールはたったの一本
だけですよ。こんな贅沢を享受できるのは山スキーヤーの特権
でしょう。
こんな調子で大変気持ちよく滑りました。
さすがに下の方は腐れ雪となりましたが、ヘルベントなら全く
問題ナシです。写真を撮りながらでも外輪から鳥海牧場まで
55分で滑りきりました。
冬の鳥海山は最高です。\^〇^/
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