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2016年6月30日 (木)

初メロン

 実家からアンデスメロンを貰いました。

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 私自身、かつてはメロン農家で50万個くらいは生産したと
思います。その当時、メロンを食べるのは収穫時の試し割り
の時だけで、糖度を調べてから一口食べて食味を確認すれば
ポイ。自宅で食べたことは殆どありません。

 しかし、1997年に、

「メロンからO-157が出た!」

という有り得ない報道がされたことで、市場価格は大暴落
私は数百万円の赤字を出す被害を被りました。

 O-157は、別名「ハンバーガー病」と言われるように、牛肉に
付着した病原性大腸菌による感染症なので、メロンに罪は全くあり
ません。冤罪も甚だしいです。

 とはいえ、風評被害は自然災害など比ではないほどに恐ろしい
もので、メロンの価格が翌年以降も回復することはありません
でした。

「もうメロンはだめだ。」

と、早々に見切りを付けた私は、小玉スイカの栽培に方向転換
して、収益率向上のために「同株夏秋二回採り栽培法」を開発
しましたが、家庭の事情とはいえ、誰にも伝授することなく廃業
したことは今でも心残りです。

 ということで、今ではメロンを美味しく食べられるようになりまし
た。食べきれないけど。(笑)

 参考までに、大暴落した年の生産者大会の為に私が作った
O-157に関する資料を載せておきます。

   O-157 とは?

O-157の意味:157番目に見つかったO抗原をもつ病原性大腸菌。
         O抗原とは大腸菌の表面をぐるりと覆っている細胞壁の成分。

起源: 1980代初頭から、アメリカ、カナダ、イギリスでしばしば大流行。
   1982年アメリカのオレゴン、ミシガン両州のハンバーガーショップで発生した   集団食中毒で広く知られるようになった。(ハンバーガー病と言われる所以)
    日本では1990年代になり時々遭遇していたが、その重要性が正しく認識され   なかった。

事例: 日本国内では1996年に、大阪堺市を中心に岡山、広島、岐阜などで、約1万   2千人にも及ぶ患者と12名の死者が発生し、大きな社会問題となった。
今年も7百人近い感染者が発生している。

特性: ベロ毒素という強い病原毒素を出す、新しいタイプの病原性大腸菌。
   DNA解析の結果、国内では6種類、200パターンの菌が見つかっている。
   (国立感染症研究所細菌部の研究結果)
   一般の食中毒にはない伝染病型の感染経路をたどることがあるため、指定伝染病に   なっている。

潜伏期間: 短くて4日、長くて9日、平均5.7日と長いため、本人が食中毒と自覚し     にくく対応が遅れがちになる。
      ※参考 サルモネラ菌;12~4時間
          腸炎ビブリオ菌;12時間
          黄色ブドウ球菌;3時間前後
          ボツリヌス菌;12~36時間

症状: はじめは気分が優れない、何となく体がだるいなどの風邪と似た症状を自覚する。   やがて下痢や吐き気、嘔吐、腹痛といった胃腸症状が現れる。
   その2~3日後には包丁で刺されるような激しい腹痛を自覚するようになり、前後   して下痢に血液が混じり、その量は次第に増えていく。
    さらにまれには症状が全身に及び、腎臓障害を起こし脳中枢を刺激し、痙攣や意   識障害を併発して、ときに命取りとなることがある。

感染力: 食中毒菌の中では最も強力で、わずか10~50個の菌でも感染する。
赤痢菌などの法定伝染病に匹敵する強い感染力を持つ。
(サルモネラ菌では経口で100万個以上で感染または発症)
    
発症程度: 感染しても全く発症しない例が約30%ある。
     また、発症して溶血性尿毒症症候群(重症)になる頻度は6~7%で、そこま     で至らずに軽症ですむケースが多い。

感染経路: 菌で汚染された食品や水を飲食することにより感染する。(経口感染)
空気感染や患者との接触による感染はない。


菌の生息場所: そもそもO157は牛などの家畜の腸管内に生息する微生物だが、全て       の牛の腸内に住み着いているわけではない。
        岩手大学と全国食肉衛生検査所協議会の研究グループが牛の糞便と頭の
       枝肉について保菌率を調べた調査では、糞便で1.4%、枝肉では0.3       %という結果が出ている。
        なお、牛にとってはO157はほとんど無害で症状も出ない。

原因食材: アメリカでは、これまで感染源が特定されたO157集団食中毒の45%が     牛のひき肉に、5%がローストビーフなどの牛肉加工品に起因していると報告     されている。また、先頃アメリカでは、ハンバーガー用ひき肉生産NO.1を占め     るハドソン・フーズで冷凍ハンバーグからO157汚染が発生し、全製品1万     1千トン(ハンバーグ約1億個分)を回収、廃棄するという事態となった。
 牛肉加工品以外ではフルーツ、野菜、その他の食品が原因食材だった例が約
     19%あった。その原因は、農作物の栽培に使う水がO157を宿している牛     の糞便で汚染されていたり、その牛の糞便を肥料に使うなどして間接的に汚染     が広がったものと考えられている。
      日本では、昨年大発生した際、カイワレダイコンとその種子の汚染が疑われ     たが、調査の結果、菌は検出されなかった。

他の原因: 国立感染症研究所昆虫医科学部の実験結果によれば、ハエが媒介して汚染が     広がる可能性もあると指摘されている。

細菌が好む環境:①人間の体温程度の温度。
        ②高湿度、または水分がある。
        ③栄養分が多い。(食品成分など) 

対策:直接的に感染を避ける方法としては、
    ①レバー等の食肉の生食を避ける。
    ②食肉を主体とした食品を食べるときは中心温度75℃で1分以上加熱する。
   間接的な方法としては、
    ①調理や食事の前に手や材料、調理器具を良く洗う。(細菌をつけない)
②生鮮食品は信頼できる店で新鮮なものを選ぶ。
    ③食物は良く加熱して食べる。(細菌を殺す)
    ④調理したらすぐに食べる。(細菌を増やさない)
バランスのとれた食生活と健康づくりで免疫力をつける。
    免疫力を高めておけば多少の細菌が侵入してきても、それらを捕らえて消滅させ    てくれるので、感染・発症のリスクが非常に少なくなる。
抗菌作用がある食品をとる。
    納豆、もずく、緑茶には非常に優れた抗菌・殺菌作用があるので大いに利用する。

政府の対応: 昨年日本で大規模発生した際、クリントン米大統領は直ちに規制を改正し、      牛肉の安全検査を指示した。
       反面、日本では昨年、29万6千トンの牛肉、1千6百12頭の生体牛、      その他冷凍ハンバーグ等が多数輸入されたにもかかわらず、当時の管直人厚      相は輸入牛肉やハンバーグ等には全くふれず、原因究明を放棄したまま「カ      イワレ犯人説」にすりかえる記者会見を二度にわたって行った。その結果、      カイワレはもちろん、レタスやキャベツなどの生食野菜の値段が大暴落した。      その発生源や真相はいまだに解明されていない。
 
               参考文献:黒澤聡樹著「O157を防ぐ生活術」他


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コメント

ファーマーさん、こんばんは。
Oー157、カイワレ犯人説は良く覚えています。
しかし、翌年にメロンから発生したというのは覚えていません。
栽培農家は大打撃だった事でしょう。
あんな人が厚生大臣、総理大臣と歴任し、中国漁船衝突、福島原発の不手際な対応、どちらもいまだに尾を引いています。

おっと、選挙期間なのであまり政治的なことは書けませんね。

投稿: デンキ | 2016年6月30日 (木) 21時20分

>デンキさん

 カイワレ大根は、あの事件以来低迷しているようです。
風評被害は本当に恐ろしいです。マスコミは
売れればいいので、生産者への配慮なんて全くしないですからね。

 ま、政治家も同様ですが。

投稿: ファーマー佐藤 | 2016年6月30日 (木) 21時44分

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