4月10日
鳥海山から帰ってくつろいでいると、
暗くなる頃に山仲間から電話がありま
した。9日に鳥海山へ日帰り予定で出かけ
たHが、2日経っても帰宅しないという。
聞けば、臂曲から長坂を登って、笙ガ岳、
御浜、万助小屋経由で下るコースだという。
私が眺めながら往復してきたばかりの
コースです。K隊長に電話すると、明日
探しに行くというので、
「オレも行く!」
と即答しました。30数年来の山仲間なので
当然です。上司に連絡して急いで準備しました。
Hは登山歴50年で、厳冬期の鳥海山新山に
今年も単独で登頂した実力者です。
今回のコースにも慣れているので、快晴下
での道迷いはあり得ません。
考えられる可能性は二つ。
急性の重大疾患か、突風で滑落して行動不能に
陥ったか。。9日は強風下のアイスバーンだった
はずで、多分後者と考えました。
4月11日
5:30 Hをよく知る4人が白井自然の家に
集合して登山口を出発。
Hの性格からして計画通りのコースを
登るだろうと、渡戸から長坂へ上がりま
した。歩いた痕跡を探しながらです。
8時頃に奥さんが県警と消防に連絡。
緊急事態に違いないので妥当な判断です。
と、人の声がしました。沢を挟んだ万助道
を下る登山者達でした。登山口に駐車して
いた3台の車の人達です。大声で情報収集
です。
その結果、Hは万助小屋と、小屋から
足跡が見える範囲には下っていない
ことが判明しました。大助かりです。
さらに登ると、西竜巻付近の急斜面で
アイゼン歩行の僅かな足跡が確認出来ま
した。Hのものに間違いありません。
その上はブッシュとハイ松帯なので、
滑落はあり得ません。10日に私が天主森
や月山森から見た限りでは、笙ガ岳付近
で雪庇崩壊や雪崩の跡、亀裂はなくて
綺麗でした。ヘリからなら見つかるハズ。。
で、お疲れの二人を残して、Hの一番弟子K
と私の二人で東竜巻付近まで登りましたが、
Hの姿はありません。
そこで、Hは笙ガ岳の頂上までは登ったと
結論付けました。捜索範囲を笙ガ岳頂上から
万助小屋までの間に絞り込みことが出来たので
県警に連絡。防災ヘリが低空飛行で集中的に
捜索してくれました。その範囲は真っ白で、
ヘリから丸見えです。私達がその先を探す意味
は無いし、日帰り装備では時間的にも無理。
下山しました。
一方、県警では地元山岳会の協力を得て捜索隊
を編成し、万助小屋へ向かったという。
万助小屋に泊まって捜索するんだな?。
と思っていたら、なんと日帰りだという。(@@
Hは小屋にはたどり着いてないことが確認できて
いただけに、理解不能でした。。。
さて、ヘリ捜索でもHは見つかりませんでした。
さては、私には見えなかったクレバスに落ちたか?。
下りなのに重い足取りで下山し、登山口に待機
していた警察官に経過報告すると16:00に解散しま
した。
しかし、K隊長に続いて車を走らせるとすぐに、
隊長が停車しました。県警からの電話かな?。
その直後、事態は急展開!。
http://farmersatoh.cocolog-nifty.com/zakkicyou/2022/04/post-cedade.html
へつづく。
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