2010年1月 3日 (日)

垂直の記録

 山野井泰史著「垂直の記録 岩と雪の7章」を読みました。

Img_1263

 山野井泰史さんの記録は、山岳雑誌の記事で何度も
目にしていましたが、著書を読んだのは初めてです。
ドラム缶ストーブの暖かさを楽しみながらも、非常に厳しい
クライミングの世界に引き込まれました。

 凄いですねー。本当に凄いsign03

 自然に対して、山に対して、そして自分に対していくら
謙虚でも、ほんの紙一重で奈落の底に落ちてしまう厳しい
世界は想像を絶します。今もなお生きているのは奇跡と
言っても良いでしょう。

 人はいつ死ぬか誰にも全く分からないので、彼のように
やりたいことをとことんやる事には大賛成です。
その結果、山で逝こうとも後悔は無いでしょう。
私自身、若い頃に死にかけて以来、そんな刹那主義と言って
も良い思いを持ち続けています。

 更に、こうして山野井泰史というクライマーの記憶は、
立派な記録となって後世に残ることは意味のあることです。
凡人にはそんな大それた事は出来ないから子供を残す。
それもまた立派な人生。

「ああ、生きてて良かった…。」

 そんな思いにさせる一冊です。

| | コメント (2)

2009年12月28日 (月)

狼は帰らず

 佐瀬稔著、「狼は帰らず アルピニスト・森田勝の生と死」
を読みました。

Img_1238

 先日読んだ、夢枕獏著、「神々の山嶺」の登場人物で最も
重要な位置を占める羽生丈二のモデルとなった登山家、
森田勝の足跡を綴った作品です。

 呆れました。

「羽生丈二って、まんま森田勝やんけ~sign01。」

 これでは、ほとんどコピー&ペーストです。
まんま長谷川恒男の長谷常雄もそうで、

「この分だと他の登場人物もパクリなんじゃ?」

という疑念が生じてしまいました。

「詰めと描写が甘いなー」

と思いながら読んだ箇所は、きっと夢枕氏のオリジナルなんで
しょう。「神々の山嶺」は、稀に見るほどの面白い山岳小説だと
思ったのに、すっかり興ざめしてしまいました。羽生丈二という
名前は、将棋の羽生善治から貰ったというしねえ…。catface

 それにしても、森田勝という登山家は、だだっ子がそのまま大人
になったようですね。回りは大いに迷惑したでしょうが、そんな純粋
な人は滅多にいないでしょう。なかなか興味深いです。

 なので、タイトルの「狼は帰らず」には違和感を覚えました。
売るためにインパクトが必要だったんでしょうけどね。

| | コメント (4)

2009年12月21日 (月)

「神々の山嶺」

 夢枕獏著「神々の山嶺」を読み終えました。

Img_1205

 ジャンルとしては山岳小説ですが、抜群に面白くて
一気に読んでしまいました。

 まず、書き出しが良い。

 それは、美しい横縞の模様が刻まれた拳大の黒い石だった。

 この一行を読んだ瞬間に、

「この本は面白いぞsign01

と確信しました。

 発端は、エベレスト帰りのカメラマン、深町がカトマンズの
裏街で見つけた古いコダック・カメラ。
そこから謎解きが始まって、やがて、伝説のクライマー、
羽生丈二について調べる内に、どんどん彼の世界に引き
込まれていく…。

 そして、深町は再びネパールへ……。


 特に、クライマックスであるエベレスト南西壁冬季無酸素
単独登攀の描写は、凄まじいまでの恐怖感と緊張感、さらに
絶望感に満ち溢れていて、身震いするほどです。

 私の部屋の気温は現在2℃。外を吹き荒れる風雪の音と、
指先がかじかむ程のピリピリとした寒さが臨場感を一層
引き立てます。

 時に哲学的であり、詩的でもあり、ミステリーや活劇も…。
山岳小説に付きものの「女」も重要な役割をしています。
もはや伝説となった名クライマー、故長谷川恒男がよく似た
名前で登場しているのにはほくそ笑んでしまいましたが、
これほどの大傑作を今まで知らなかったのは全く迂闊でした。

 山をやる人もやらない人も、それぞれのイメージで楽しめる
小説と言って良いでしょう。お薦めです。

| | コメント (2)

2009年11月 8日 (日)

シャカリキ!

 曽田正人著「シャカリキ!」全18巻を買いました。

Img_1032

 漫画本を買ったのは、「エイトマン」と「サイボーグ009」
を各一巻だけ買って以来、ナンと40年振りです。
なんせ漫画は立ち読み専門だったので~。coldsweats01

 内容としては、自転車で坂道を登ることに異常なまでの
執念を燃やす少年の話です。映画「シャカリキ!」に興味を
持って調べている内に、原作の方が圧倒的に面白いという
ことが分かったので、新品をオークションで半額ゲットしました。

 ウン、これは確かに面白いsign03。タイトル通り、シャカリキに
なって全部読んでしまいました。(笑)

 読んでいる内に、すっかり忘れていた少年時代の事を
思い出しました。そういえば、私も自転車で急な坂道を
登るのが大好きだったんですよね。今でも、延々と何処
までも続くような急な登山道をひたすら登ることが大好き
なので、どうも昔から変わっていないみたいです。coldsweats01

 もし、高校時代にこの作品に出会っていたら、間違いなく
感化されたでしょうねえ。読み終えた今、ロードレーサーで
ヒルクライムをしたくてウズウズしているくらいですから。(笑)

| | コメント (2)

2009年7月13日 (月)

劔岳〈点の記〉

「観た~いsign03

と思っている映画が、現在公開中の「劔岳〈点の記〉」
ですが、調べてみたら新田次郎原作なんですね。

「へ??」

という感じでした。何故かというと、山登りを始めた頃に
新田次郎の山岳小説は文庫本で全部読んだつもりで
いたからです。中学時代から読み貯めていた大量の
文庫本を処分した際にも、長編歴史小説と山岳小説
だけは取っておきましたが、本棚に同書はありません。

 よくよく思い起こしてみると、新潮文庫で刊行されて
いる分を全部読んだ後に文集文庫を読み出したら、
七作を読んだところで飽きてしまったようです。coldsweats01

 ということで、買ってきて一気に読みました。

Img_0474

「地形図を作った人は偉いなー」

と山登りで山形県境を歩いていた頃とか、よく思ったもの
ですが、正にその測量官の物語です。主人公の測量官、
柴崎芳太郎が山形県大石田町出身というのも何やら
嬉しいです。

 さて、内容としては、日本地図の空白地帯だった中部
山岳地帯の劔岳周辺を踏査することを名目にして、劔岳
の初登頂を狙っていた日本山岳会に負けてはならぬ!、
という軍部の強い意向で、測量官柴崎と部下が奮闘する
というものです。実話だそうです。
 しかも、ただ単に劔岳に登頂すれば良いというのではなく、
その地帯一帯をくまなく測量するというのだから大変です。
一枚二百数十円の地形図を見る目が少し変わるかも…?。

 描写的にも、気象観測のプロで山登りにも精通していた
新田次郎ですから具体的で真に迫っています。
 まあ、若干ウザイと思う部分もありますが、時代が違うから
ねえ…。catface

 DVDが出たら買わなくてはsign01

| | コメント (0)

2009年1月22日 (木)

感染列島

 映画「感染列島」が公開中ですが、人が多く集まる
劇場でインフルエンザなんぞに感染しては洒落になら
ないので、小説化された文庫本を買ってきました。

Img_0157

 ¥552だったので、映画よりもずっと安いし安全
です。(笑)

 結構引き込まれて、映画の上映時間よりも早く読み
終わりました。近頃話題の新型インフルエンザを扱った
作品なのかと思っていたら、症状が何だかヘン。
エボラ出血熱によく似ているのです。
 
 この辺のネタ晴らしは避けますが、映画の公式HPを
見たらこう書いてありました。

映画『感染列島』は、これまで誰も描こうとしなかった、
現代社会の“パンドラの箱”ともいえる、「疫病と人類の
戦い」という深遠なテーマに真っ向から挑む、新機軸の
パニック・ムービーにして、世界で初めての映像プロジェ
クトである。

 へ?、違うでしょ?。1995年のアメリカ映画「アウト
ブレイク」があるじゃんsign03

 まあ、殺人ウイルスの「モターバ」がエボラウイルスに
そっくりだったのには笑えたし、宿主が発見されてから
ワクチンがあっと言う間に完成したことにもかなりの無理
がありましたが、ウオルフガング・ピーターゼン監督らしく、
緊迫感があってかなり楽しめました。アクションシーンも
見応えがあるし、役者も一流揃いです。
ダスティン・ホフマン、モーガン・フリーマン、ネレ・ロッソ、
ドラルド・サザーランド等々。

 対する日本映画の「感染列島」はどうかsign02
小説を読んだ印象としては、何だか安直なお涙頂戴物
になっていそうな気がしますけどね。

 ということで、DVDが出たらレンタルで観ようと思い
ます。

| | コメント (0)

2008年11月19日 (水)

「山は真剣勝負」

 山田哲哉氏の著書です。

8y180005

 帯には、

歩けなくっちゃ話にならないんだよ!
「ちゃんと登る」ための辛口登山原論

とあります。理屈っぽい本なのかと思いましたが、
立ち読みしていると、山屋のバカさ加減にニヤニヤ
していました。で、つい買ってきてしまいました。wink

 基本的には私も山に対して真剣に向かっている
ので、共感できます。自身の体験を元にしていて
なかなか説得力があります。

 ウン、秋の夜長に極上のジャズを聴きながら読む
のにピッタリの本だな。confident

| | コメント (0)

2008年8月 4日 (月)

ぼくちゅう文庫版

 ぼくちゅうこと、「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」にはまって
います。

「こんな面白い小説をタダで読んで良いワケがない!」

 というワケで本も買いました。

88030001

 ブログは開くのに時間がかかるし妻にも読ませたいからです
が、ブログには載っていないエピソードもありました。
買う価値はあります。妻は昼寝するのも忘れて読みふけって
いました。さらには仕事も忘れるほど……。coldsweats01

 もの凄~く面白くて、時にシリアスで、非常にデンジャラスで
感動的な小説はそうそうありません。
永久保存版決定sign03。9月には第3巻が出るそうです。

| | コメント (2)

2008年8月 2日 (土)

自転車誌

 少年時代から自転車は好きでしたが、自転車専門誌を買った
ことは全くありませんでした。たった一度だけ、自転車整備の
本を買ったことがあるだけです。その本も、

「道路を走る暇は無いし、タイヤが埋まるから畑にも乗って
行けない!」

という理由で手放したロードレーサーと共に処分しました。
昔は猛烈に忙しかったんですよ。gawk

 それがどうでしょう。鳥海山へ走りに行くようになって初めて、
その魅力に取り付かれたようです。先月に続いて、今月も雑誌を
買ってきました。good

88020001

 今は自転車の人気度がかなり高いんですね。
数えてはいませんが、10誌程度は発売されているんじゃないで
しょうか。その中から私が買うのは、安くて興味をそそる内容で
あるもの。今月は”funride”を買ってきました。初めて見る雑誌
です。私自身はツーリング仕様のMTBに乗っていますが、買う
雑誌はロードレーサー専門です。ロードレーサーが大好きなん
ですよ。ホントは。スピードはMTBの比ではないですから。

 しかし、高速仕様のMTBでどこまで頑張れるか?、が目下の
課題です。気持ちはロードレーサー、乗るのはMTBです。

 というワケで、オーディオ関係の雑誌を買うのはやめました。
自転車に乗り換えです。安上がりで健康的なので、良いことだと
思います。coldsweats01

| | コメント (4)

2008年7月 5日 (土)

池昭語録

87050001

 「酒田労山の思い出 池昭語録」

 という自費出版の本を頂きました。
酒田勤労者山岳会の発足から解散に至るまでの30年近く会長で
あり続けた池田昭二氏(通称イケショウ)が、会の機関誌に寄せた
文を同人の今井吉郎氏がまとめ上げて池田氏自身が加筆し、
阿部良治氏が監修した内容となっています。

 池田昭二氏といえば、登山愛好者で鳥海山に登ったことの
ある人ならほとんどの人がお世話になっているハズ。
昭文社の「山と高原地図・鳥海山」の筆者だからです。
鳥海山登山だけでも1,000回以上ということで、正に鳥海山の
生き字引と言える方です。
 また、中学校と高校で教鞭を執る傍ら、山岳部の顧問として
活躍されていたので、騙した、いや、指導した生徒の数は数知れ
ません。私自身も酒田労山に所属していたので、氏のお世話に
なりました。解散した今も、たまに自宅へお邪魔します。
 
 で、あちこち読んでみましたが驚きました。
昔の鳥海山の冬は凄まじいですね。たった4時間で3mも雪が
積もってテントや雪洞が潰された話なんかは、冬が暖かくなった
今じゃ考えられません。凄いなー。(@@
装備も今とは比較にならないほど粗末だったワケで、

「冬の鳥海山が好きです。」

なんて、恥ずかしくて言えませんね。想像を絶する厳しい世界が
生々しく描写されています。これは貴重な記録集と言えます。
その中でも、「忘れがたい山」は壮絶です。

 ウム、これは酒の肴にピッタリのものを頂きました。
池田先生、ありがとうございましたsign01

| | コメント (0)